書籍紹介の事。

何かを褒めるぞ運動(不定期)。


ラノベ断章のグリム」(電撃文庫)。著者は甲田学人さん。(代表作「Missing」)
書いている御本人が主張しているように、決してグロテスクではありません。
ただ
人間を刃物で刺したら大量に出血するという、ごく自然な描写がございます。2巻にはグロテスクなシーンが無い事も無いのですが、あまり詳しく描写されていないから大丈夫。舞台設定等が他のラノベより現実に近しいので、若干のリアリズムが伴うんですけどね。


「Missing」(これは「怪談」)同様、背後に(ある種の)〝教養〟を感じさせる小説でして、「断章のグリム」というタイトルにもあるように「グリム童話」がキーワードの一つとなっています。民間で伝承されている物語を利用する事により、作者がでっち上げた設定のラノベよりは、幾分の濃厚さを感じる事が出来るのではないでしょうか。


その一方、若干の萌え要素・戦闘シーンが含まれ、「Missing」よりは〝ライト〟な内容になっているので、より広い読者層が期待できます。物足りないかもしれませんけど。まあ、怪談とグリム童話では濃厚さに差が出るのは仕方ないです。




個人的には「Missing」の方が好きです。しかし甲田学人ワールド初心者の方は「断章のグリム」から始めてみてはどうでしょうか。




(あれ?あんまり褒めてないorz)